頭痛・肩こり
頭痛・肩こり
頭痛は頭が痛む状態で、痛みがあると日常生活に支障を来します。頭痛に対する治療としては鎮痛薬(頭痛薬)が一般的です。
たまに起こる頭痛に鎮痛薬を服用して頭痛がなくなれば問題ありませんが、鎮痛薬の服用頻度が1ヶ月で10日以上ある方は注意が必要です。「薬剤の使用過多に伴う頭痛(薬物乱用頭痛)」といって、治療薬が原因で起こる頭痛に至る可能性があるからです。
漢方治療でも頭痛がなくなることを目指しますが、頭痛に使用できる漢方薬は何種類もあります。
当院では頭痛に対する漢方薬を選ぶにあたり、起こる時期や時間帯、そして同時に起こっている症状を把握することを重視しています。
雨降り前などの気圧が急激に低下するタイミングで頭痛が起こることがあります。一旦雨が降り出すと楽になることもあります。同時にめまい、むくみ、耳鳴りの合併があることもあります。女性の場合は月経前に悪化することも多いです。
トンネル内の運転が苦手、人混みやエレベーターが苦手、ストレスを抱えているなどの情報も参考にします。
肩や首の痛みが頭痛の原因になることがあります。この場合は頭痛の原因となっている肩こりの治療を行うことで頭痛の軽減を目指します。
肩こりの原因としては、冷え症、胃の不調、不眠症、ストレスなどが関わっていることがあります。これらの原因にもさまざまなタイプがあるので、全身の問題と捉えて漢方治療を行います。
アイスクリームやかき氷を食べたときにキーンと頭痛が起こることがあります。これは胃が冷えたという情報が脳に伝わり、頭痛が起こっています。
冷たいものを食べていないにも関わらず、このように胃が冷えている状態が存在し慢性頭痛となることがあります。このタイプの頭痛は、手足が冷えていることが多く、自身で冷たく感じたり、他人に冷たさを指摘されることも珍しくありません。
お腹の中が冷えると、低体温症にならないよう、脳の指令で体の表面から体温が逃げるのを妨げます。手足の血管を収縮させ血流を低下させるために手足が冷たくなります。
また、1日の体温リズムでは朝方が一番低くなります。そのため、冷えに伴う頭痛は朝方に強い傾向があります。また、胃が冷えると胃の動きが鈍くなりやすいので、胃の不調を実感していることがあります。
このように、手足の冷えや胃の不調が頭痛治療の手掛かりになることがあります。
ストレスがあると肩こりが起こりやすいです。肩こりを介して頭痛に至ります。また、不眠症では就寝中に体に力が入りやすくなります。歯を食いしばる傾向もあり、顎関節症を合併する人もおられます。
また、夢(とくに悪夢)が多いことがあり、途中で何回も目覚めることもあります。就寝中は副交感神経が優位になりリラックスする時間帯なのですが、自律神経が乱れ、交感神経が働いている可能性があります。ストレスがある状態でも交感神経が優位になりやすく、眠りを妨げます。
漢方では、自律神経を整えることで不眠やストレスに伴う症状を緩和することで頭痛の軽減を目指します。
血圧が上がると頭痛が起こるというのはよく知られています。高血圧症は脳出血やくも膜下出血の原因になるため、慢性的な高血圧症がある場合は血圧を至適範囲まで下げることがとても重要です。
血圧上昇が原因で起こる頭痛がある一方、頭痛が引き金となって一時的に血圧があります。この場合は、頭痛が軽減すれば血圧も下がります。
高血圧症は動脈硬化の原因となります。動脈硬化で血管が硬くなると、血液の流れが滞りやすくなります。脳の組織は体のなかでもとても多く酸素を必要とします。脳の血流が滞ると、脳が低酸素を感じ取り頭痛を起こします。
漢方では、脳にスムーズに血液を巡らせることにより頭痛とそれに伴って起こる血圧上昇を緩和します。注意が必要なのは、漢方薬だけで血圧が至適範囲(収縮期血圧120mmHg未満かつ拡張期血圧80mmHg未満)となれば良いのですが、至適血圧に至らない場合は現代医学的な高血圧症の治療を併用するほうが良いでしょう。
頭痛の原因は単独ではなく、いくつかが合併していることも多いです。頭痛の原因も含めて複数の漢方薬を併用することもあります。頭痛でお困りの方は、是非当院にご相談ください。
TOP